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福岡いのちの電話会報


「電話を受けて・・・相談員の感想」 40期生の感想

     


認定を受けた36期生の思い(2012年9月1日

「電話相談実習を終えて」  M.T.
 ある日、新聞で相談員募集の記事を読んだ時から、自分の中で何か化学変化のような心の反応がありました。普段は目に留めない、その記事が自分にとって大切な分岐点になる気がしました。誰にも相談することなく申込み、志望動機を夢中で書き、面接を受け、養成講座に通いはじめました。その日々の楽しかったことは今思い出しても不思議です。「自殺」という重いテーマを学びながら、自分の心と対話するような価値ある日々でした。電話実習でさまざまな声を聴きます。その一つ一つが闇の中から叫んでいる生への渇望のようで、逆に自分が試されている実感があります。

「いのちの電話相談員の一人として」 T.H.
 私に何が出来るだろうかと思い悩みながらも、顔も知らない誰かに寄り添い、支えられる自分であり続けたいと思えることに感謝します。そのきっかけが「心の化学反応」にあったのだと思います。日々の暮らしの中では、些細なことで悩み、怒り、笑いのささやかな自分ですが、ブースに入ると違う自分が存在する、その大きな力を与えてくれたのがいのちの電話であり、先生方のご指導です。支えあえる同期の仲間がいて、ひたすら自分と向き合い、人として何が出来るかを模索し続けられる人生を全うすること、これが私の最大の幸せであると思っています。
 

 
         
     
9月1日に認定を受けた35期生の思い

「ボランティア養成講座を終えて」 T.M.
 早いもので、養成講座を受け始めて2年になりました。最初は、自分にこのボランティアができるだろうかという不安な気持ちと、自殺者を減らす活動のお手伝いをしたいという気持ちが、交錯しながら研修を受けてきました。その間、様々なる通話者の心の声を受けてきましたが、今でも、相手の気持ちに寄り添い、耳を傾けることが出来ず、ついつい自分の考えを言ってしまうことがあります。後で「しまった。またやってしまった」と反省することもしばしばですが、中には話を聴いてくれてありがとうという方もいました。このような事例に出会うと、誰にも相談できず、苦しんでいる方が助けを求めていのちの電話にかけてきているのが実感できました。
 さて、今年は東日本大震災があり、未曽有の被害が東日本を襲いました。また、風評被害は、世界中に広まり、日本の経済は一時どうなるかとまでいわれました。いのちの電話では、いち早く震災対応の相談窓口がフリーダイヤルで設けられ、私もボランティアに一日入りました。私の受けた電話は、受話器の向こうで、無言で、そのあと電話は切れるということが3件でした。相手の言葉にならない苦しみを肌で感じました。その後、私は地震被害の鑑定の仕事で福島県いわき市に二ヶ月間赴き、被害の甚大さを目に焼き付けてきました。今の当たり前の生活がなんとありがたいことかを原点に、これからも通話者の心の声に耳を傾けていきたいと思います。


「福岡いのちの電話」に関わらせていただくようになって M.K.

 先日、35期生の養成講座閉講式が行われました。思えば3年前、母を亡くし、その事実を受け入れることが出来ないでいた矢先、親しかった友人の自殺を経験しておりました。母の死はある意味、順序といえる死。しかし友人の自殺、これはいったい何だったのか。自責の念や悲しみで一杯な時、福岡いのちの電話相談員ボランティアの募集が目に留り、応募したのでした。私に何が出来るのかという迷いはありましたが、後に残された人の悲しみを訴えてみよう、「死なないで!」と言いたい、その一念で応募し、研修を続けたのでした。
 丸2年、足掛3年、講義を担当下さった多くの先生方、スーパービジョンで助言して下さいました先生方、先輩として支えて下さいましたサポーターの方々には本当にお世話になりました。また何よりも励みになりましたのは、いつも明るく親切に応対して下さった事務局の方々の笑みでした。
 研修期間中の電話実習の内容には驚かされることの連続でした。性を話題にするもの等は聞きづらいものもありましたが、自殺をほのめかす危機的な電話に出会わなかったことは、通話者にとっても、私にとっても幸いな事だったのではと思えば我慢出来るのかなあと思えるのでした。また一方で、毎年3万人を超える自殺者がここ10数年続いている厳然たる事実を忘れることなく、私の研修は今からだと思っているところです。


 
         

震災ダイヤルを取って

 この度の東日本大震災により、犠牲となられました方々のご冥福をお祈り致しますと共に被害を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。
 東日本大震災に際し、日本いのちの電話連盟は3月28日(月)4月9日(土)8時22時「いのちの電話震災ダイヤル」を実施しました。福岡いのちの電話でもその事業に参加し、計60件の電話を受けました。実際に電話を受けた相談員の感想です。


 ちょうどあの日は私たち九州の人々が待ちに待った九州新幹線の全線開通の前日だったのです。全ての祝賀イベントや報道さえも吹っ飛んでしまいました。私が震災ダイヤルを受信したのは4月上旬でした。その女性「この電話は地方のラジオ局が何回も放送して頂いてたんですが電話が通じずに」とゆっくり話しだされました。とても大きく何回も揺れたこと、幸いにも家具は全て耐震にしていたこと、水や食料は多めに持っていたこと、そして津波の音が聞こえとても怖かったが家までは来なかったことを話されました。身体がご不自由なこの方の今後が心配でしたのでお尋ねしましたが、市役所などに電話したけど「避難所の支援で手が一杯で『そんなことは近所の方へ』と断られたとのこと。暫くは何とかなるとの言葉と、「この電話全国で受信とのことそちらはどこですか」「福岡ですよ」「嬉しいですお話出来て」に少し安堵しました。 B.T.

 この度の震災フリーダイヤルで、テレビの報道からは聴こえてこない被災された方の生の声を実際耳にして、胸が詰まる想いとともにいたたまれない気持ちになりました。自分の人生をかけて築きあげてきた生活の全てを、一瞬にして失った自分達に一体何を頑張れと言うのか、何を目標にして何に対して頑張ったら良いのか・・・と話される被災者。
 夢か現実かわからないと思える程の目の前の光景に茫然自失となり、今おかれている状況の中で不安やストレスに押し潰されそうになりながら、我慢を強いられた避難生活を送りながら、歯をくいしばって耐えられている被災された方々の疲弊しきった心に、ほんの一瞬でもホッとひと息つけるような何かがあれば・・・。
 行政では届けてあげることの出来ない品(例えば化粧品や嗜好品など)を、いのちの電話の組織力を生かして、私たち相談員の力を結集して被災された方々の心が少しでも癒されるような支援が何かと出来ないものかと、話を聴きながら切実に思いました。
 こんな事を言ったら「ぜいたく」と言われそうで誰も口に出せないでいる・・・と言われた被災者の生の声が、そして又、この度の震災フリーダイヤルが無駄にならないようにと願うばかりです。  H.Y.


2009年8月より相談活動を開始した第34期生の方に
「いのちの電話を取り始めて」と題して書いていただきました。

 A.H
 「はい いのちの電話です。」
初めて電話をうけたときのことを今でも鮮明に覚えている。あまりの緊張のため、声は裏返り、手は少々震え、頭の中は真っ白になっていた。顔も見たことがない、会ったこともない、見ず知らずの人と会話することが、これ程までに難しいものとは思いも寄らなかった。その難しさは、自分が想像していたよりも遥かに超えていた。
 相談の電話を受けるなかでも相談の内容によっては自分が相談者の訴える話を聴けないことがある。頭では、相手の話を聴きたいという気持ちはあるのに、心がついていかないのだ。このような相談を受けたときは、心身共に非常に疲れ切ってしまう。相談者の話を聴きたい気持ちとどうしても聴けない自分の揺れる気持ちの間で、ここらが板挟みになってしまうからである。
 相談者が相談のなかで感情を露にするのと同じように、電話を受ける者にもさまざまな感情が湧き上がってくる。私は、これからも相談を受けていくなかで自分の感情に悩まされるだろう。自分のこころと向き合い、試行錯誤しながら、電話をかけてこられた方の悩みや抱えている問題を十分に傾聴し、相手の気持ちに寄り添う姿勢をいつまでも忘れずに持ち続けていきたいと思う。


 S.T
 私がいのちの電話の相談員を目指そうと思ったのは、心理学を多く学んできた大学の卒業が間近になった頃から、心についての学びをもっと深めたいと思っていろいろ探していた時に、この電話のことを知人から紹介されたことからでした。もう一つは、私が社会人になった時から母が常々私に「あなたは多くの人の援助のおかげでここまで来れているよね。だから、今度はあなたができるなにかで社会の皆様に恩返しをするボランティアをしていきなさい。」と言ってくれていたことでした。視覚障害のある私をいのちの電話は受け入れてくれるだろうかと不安に思いましたが、事務局の方はとても親切に応対してくださり、研修期間から現在に至るまで温かい援助の手をさしのべてくださっています。34期の同期生の方々もとても親切にしてくださり、皆様のおかげで研修が続けられております。この場をお借りして、心から感謝申し上げます。
 座学による研修の時もそうでしたが、実際に電話を取り始めてからも、私は毎回多くのことを学び、発見し、気づき、世界が広がっていくのを感じております。落ち込む時もありますが、心が癒されたり、ポカポカと温かくなることがあるのも、とても不思議です。悩み苦しみ、孤独を抱えている人のなんと多いことか、そして相談者に寄り添ってお話を聞くことがとても難しいことを実感しています。毎回試行錯誤の繰り返しですが、相談者が少しでも心を開いてお話ができるよう、一期一会の精神で電話を取りたいと思っております。


 A.I
 あっという間の半年だった。モニターで聴くのと実際に取るのは全く違う、誰も助けてくれず一人だからだ。毎回受話器を握る手に力が入り、血圧が上がる気がする。
 人間関係で悩み出口が見えなかった頃、たまたま目にしたのが「ボランティア募集」の記事だった。周囲の支えもあり悩みが小さくなり、俊巡する自分を変えたいと思った。少しでも誰かのために動くことで恩返しができるとよいと思った。幸い、家族も推薦文を書いてくれた友も背中を押してくれた。はじめ書いた自分史は、客観的に自分を見つめるよい機会になった。自分は本当に一人で生きてきたのではなく、周囲の愛情に支えられていたおだと改めて感じた。
 今また、心やさしい同期や迷った時に支えてくださる先輩方、的確な助言を下さるスーパーバイザーの先生方に支えられながら、毎回相談者のお話に耳を傾けている。
 そして時には相談者と一緒に悩んでいる。私が一生懸命お話を伺っていることが伝わっていれば幸いだ。
 まだまだ半人前だが、これから研修など出来る限り参加して、早く自然体で受話器を握れるようになりたい。一人でも多くの方に「いのちの電話」があってよかった、と思っていただけるよう努めたい



第34期生(2010年9月認定の相談員)の思いから

自殺!? ちょっと待って!(思いとどまってもらうために)に参加して

 去る10月9日、明治安田生命ホールで開催されたいのちの電話全体研修会(自殺防止公開講座)に参加しました。
講演「うつとの上手なつきあい方」の大野裕先生の紹介の時、慶応義塾大学教授であり、雅子妃殿下の主治医であられるということを聞き、親しみを感じお話に引き込まれました。パネルを見ながら聞けたので、理解しやすかったと思います。
いのちの電話の相談員をしていると、「うつ病です」という電話を度々受けることがあります。「うつ病」は確かなメカニズムは、実はまだよくわかっていません。脳の病気であり、社会(人間関係)の病気であり、こころが弱いからなるのではなく、意欲や気分を司る脳内の神経のネットワークが障害されていると言われています。
立ち止まって考える時間が必要なので、どのようなメッセージをと考えながら、「こころの声に耳を傾けましょう」に傾聴、共感を再認識しました。   Y.H.


電話を取りはじめて

 私は同期の中では、病気して休ませて頂いた時期もあり、相談者との出会いはまだまだ少ないのですが、いのちの電話にかかわれてとても良かったと思っています。
 変わりたい自分がいて、ゆっくりですが変われている自分に気づき始め、聴く事待つ事認める事の重要さを知り、日々の生活の中で穏やかな心で包容力を高めて行く様にしています。
 もっともっと活動したい参加したい気持ちで少し焦る思いですが、今の私にベストなスタンスで今まで通り、身体の事、家族の事、かけがえのない友の事、大好きな趣味の事など、生きていく中で知恵を見つけ生かしていけたらと思っています。
 いのちの電話にかかわらせて頂いて、魅力ある方々に出会い又深い教えに感銘を受け、今ここに生かされている事を心から感謝しています。
 より一層楽しく学びながら精進していきたいです。  I.K.

お問い合わせは「福岡いのちの電話」事務局へお願いします。
電話:092-713-4343 (平日 9:00〜19:00 
土曜 9:00〜15:00)
日曜・祝日は休みです 


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